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技術情報・コラム

もっと知りたい! 熱流体解析の基礎

第6章 熱流体解析の手法


6.5 数値計算法

6.5.5 解析のフローチャートと反復計算

 前回までで計算に関する基本的な考え方を説明しましたので、ここで 流れ SIMPLE法 系統の解法で計算した場合の手順を整理したいと思います。まずは 定常解析 のフローチャートを図6.48に示します。


図6.48 定常解析のフローチャート

 外側のループで表された全体の反復計算のことを 外部反復 といい、弊社のソフトウェアではこの繰り返し回数をサイクルと表現しています。この反復計算は大まかには時間の進行に近い意味を持ちますが、定常解析では時間の概念がないため、「○サイクル=△秒後」のように実際の時間と結び付けた解釈ができない点に注意が必要です。

 また、陰解法 を用いる場合には、各変数の求解に マトリックスソルバー による反復計算が必要となります。これを 内部反復 といい、各変数の内部反復が終わればそのサイクルの解が得られたことになります。内部反復は毎サイクル行われるため、計算全体では変数の数の内部反復をサイクルの数だけ繰り返すことになります。

 なお、上の例では計算の順序が 速度 温度 となっていますが、この順番には任意性があります。また、速度はまとめて記述していますが、実際にはX, Y, Z方向のように成分ごとに分けて計算されることが多いため、フローチャートはあくまでも一例としてご覧ください。

 続いて、非定常解析 のフローチャートを図6.49に示します。定常解析とよく似ていますが、外部反復に時間の概念があり、外部反復の冒頭で時間が定義されている点が異なります。


図6.49 非定常解析のフローチャート

 定常解析ではサイクル間の値の変化が 定常判定値 より小さくなった時点で、定常状態が得られたと見なして計算を終了します。一方、非定常解析では設定された終了時刻もしくは終了サイクルに達した時点で計算終了となります。

< 6.5.4 SIMPLE法 6.5.6 サイクル内ループ >

 

上山 篤史
著者プロフィール
上山 篤史 | 1983年9月 兵庫県生まれ
大阪大学大学院 工学研究科 機械工学専攻 博士後期課程修了
博士(工学)
学生時代は流体・構造連成問題に対する計算手法の研究に従事。入社後は、ソフトウェアクレイドル技術部コンサルティングエンジニアとして、既存ユーザーの技術サポートやセミナー、トレーニング業務などを担当。執筆したコラムに「流体解析の基礎講座」がある。

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