Home > 技術情報・コラム > もっと知りたい! 熱流体解析の基礎 > 2.2 物性値, 2.3 密度

技術情報・コラム

もっと知りたい! 熱流体解析の基礎

第2章 物質の性質


2.2 物性値

 物質が持っている性質を、ある尺度に基づいて数値で示したものを 物性値 といいます。物性値を設定することで、解析対象の性質を 熱流体解析 に反映させます。

 物性値には、流体 固体 の両方に定義されるものと流体のみに定義されるものがあります。 前者に該当するものには  流体/固体 、後者に該当するものについては  流体  という表示を節見出しにつけています。それぞれの数値がどのような性質を表し、値の大小によってどのような違いがあるのかをイメージしながら読んでみてください。

2.3 密度と比体積  流体/固体 

 密度 は物質の単位体積あたりの質量のことで、単位は kg/m3です。 単位体積とは、基準となる体積1単位という意味で、SI単位系 の場合には 1 m3 を表しています。

 例えば、鉄の密度は約 7,870 kg/m3であるのに対し、アルミニウムの密度は約 2,680 kg/m3 です。同じ体積で比較すると、アルミニウムの質量は鉄の約1/3となるため、航空機やスポーツカーの材質にアルミニウムが利用されているのもうなずけます。

密度の違い
図2.4 密度の違い

 密度の逆数を 比体積 といいます。これは単位質量あたりの体積を表したもので、単位は m3/kg です。先ほどの鉄を例に取ると、比体積は

となるため、1 kg の鉄は一辺の長さが約5 cm の立方体になることがわかります。

鉄の比体積
図2.5 鉄の比体積

 普段の生活で感じることはほとんどありませんが、空気にも質量が存在します。20 ℃、1気圧(= 101,325 Pa)における乾燥空気の密度は約 1.206 kg/m3 です。一方、水の密度は約 998.2 kg/m3 で空気の約830倍になります。
地上では走ることができてもプールの中では走れないように、空気中と水中では身体が受ける抵抗に違いがあります。これは、密度が大きい流体ほど物体に与える力が大きくなるためで、空気と水が同じ速度で流れたとしても、両者が物体に及ぼす力は大きく異なります。

< 2.1 物質の三態 2.4 比熱と熱容量 >

 

上山 篤史
著者プロフィール
上山 篤史 | 1983年9月 兵庫県生まれ
大阪大学大学院 工学研究科 機械工学専攻 博士後期課程修了
博士(工学)
学生時代は流体・構造連成問題に対する計算手法の研究に従事。入社後は、ソフトウェアクレイドル技術部コンサルティングエンジニアとして、既存ユーザーの技術サポートやセミナー、トレーニング業務などを担当。執筆したコラムに「流体解析の基礎講座」がある。

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