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技術情報・コラム

もっと知りたい! 熱流体解析の基礎

第1章 熱流体解析とは

 

1.3 熱流体解析の活用の仕方

 製品の設計・開発段階で、実験の代わりに 熱流体解析 を用いたときの主な利点として、以下のようなことが挙げられます。

  • 高温などの危険な環境も安全かつ簡単に再現できる。
  • 試作品や実験装置が必要なく、計算環境のみで試行が行える。
  • 測定装置の影響を含むことなく、 流速 などの瞬時の分布を得ることができる。

 この内容だけを見ると、熱流体解析は利点ばかりに見えるかもしれません。ソフトウェアを開発・販売している立場からは、熱流体解析が実験の代わりになることを目指していますが、現時点では簡単なことではありません。その理由として、熱流体解析で得られた解は以下のような 誤差 を含んだ 近似解 であることが挙げられます。

  • 物理モデルで用いられた近似(基礎方程式 などの導出に用いられた仮定)による誤差
  • 数値計算に伴う誤差(丸め誤差、打ち切り誤差など)
  • 形状の簡略化などに伴う誤差

 実験との対比を行いながら調整を加えることで、解析を実験に近づけていくことは可能です。しかし、複雑な問題になるほど、その困難さは増します。しかし、その一方で相対的な評価は、双方が同じ程度の誤差要因を含み得ると考えると、比較的簡単に行うことができます。

 このように熱流体解析にも長所と短所があります。これらを理解した上で熱流体解析を用いると実験回数の削減や設計初期段階での性能把握など、効率的な検討が可能になります。また、得られた計算結果を鵜呑みにするのではなく、結果が合理的かどうかを意識しながらソフトウェアを使うことも重要です。

熱流体解析の例
図1.7 熱流体解析の例

< 1.2 熱流体解析を行う理由 2.1 物質の三態 >

 

上山 篤史
著者プロフィール
上山 篤史 | 1983年9月 兵庫県生まれ
大阪大学大学院 工学研究科 機械工学専攻 博士後期課程修了
博士(工学)
学生時代は流体・構造連成問題に対する計算手法の研究に従事。入社後は、ソフトウェアクレイドル技術部コンサルティングエンジニアとして、既存ユーザーの技術サポートやセミナー、トレーニング業務などを担当。執筆したコラムに「流体解析の基礎講座」がある。

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