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技術情報・コラム

機構設計者なら知っておきたい! 電子部品の発熱量計算と熱設計の基礎

はじめに

  熱流体解析 によって電子機器の熱設計を検討するためには、部品に発熱量を設定する必要があります。

 多くの場合、発熱量は回路設計者からの情報をもとに設定されます。もちろん、機構設計者に対して、回路設計者が故意に誤った発熱量を伝えることはあり得ませんが、コミュニケーション不足による誤解は起こり得ます。例えば、回路設計者にとっては発熱量の最大値が故障するかどうかの判断材料となるため最大値を重視しますが、機構設計者は計算結果が測定結果と一致するかどうかを確認するために平均値を必要とします。このような違いから発熱量だけを要求すると、平均値が必要であるにもかかわらず誤って最大値が渡されるといった事態が起こり得ます。

 一方で、後ほど紹介する LTspice などの 回路シミュレーター を用いれば、部品の発熱量をある程度見積もることができます。熱設計は発熱量の大きな部品に支配されるため、これらの部品の発熱量を自分で求めることができれば、機構設計者が初期の段階における設計検討を行うことも可能です。

 本連載では、機構設計者を対象に基本的な電子部品の発熱量の計算方法を説明していきます。内容は、最初に電子工学の基礎的な内容について説明します。そして、代表的な発熱部品である 電気抵抗 ダイオード トランジスタ アルミ電解コンデンサ について、動作の仕組みや発熱のメカニズム、部品の選定や発熱量の計算方法などを、LTspice を用いた簡単な例題も交えながら説明していきます。また、ソフトウェアクレイドルの基板専用熱解析ツール PICLS を用いて、これらの部品を含んだ回路の計算を行った例も紹介します。

 なお、本文中では電子回路の動作について言及していますが、これは機構設計者が電子部品の損失計算の概要を理解するためのもので、回路設計を目的としたものではありませんので、あらかじめご了承ください。

 本文中に記載されている単位は SI単位系 のものです。また、本連載では PICLS に加え、回路動作の理解のためにリニアテクノロジー社から無償で公開されている回路シミュレーター LTspice を使用します。

本連載が皆様の業務の一助になりましたら幸いです。

 

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著者プロフィール
CrEAM(Cradle Engineers for Accelerating Manufacturing)

電子機器の熱問題をなくすために結成された3ピースユニット。
熱流体解析コンサルタントエンジニアとしての業務経験を生かし、
「熱設計・熱解析をもっと身近なものに。」を目標に活動中。

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