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技術情報・コラム

もっと知りたい! 熱流体解析の基礎

第5章 物質拡散


5.2.5 湿度

 身の回りの空気は水分(水蒸気)を含んでいます。このように水分を含んだ空気のことを 湿り空気 といい、これに対して水分を全く含まない空気のことを 乾き空気 といいます。図5.10に示すように湿り空気は乾き空気と水蒸気の混合物になります。


図5.10 湿り空気と乾き空気の関係

 湿り空気における水蒸気の 濃度 は、前述の単位で表すこともできますが、一般には 湿度 という独自の単位が用いられます。この湿度の表現には、相対湿度重量絶対湿度容積絶対湿度 の3種類があります。

相対湿度

 天気予報などで用いられることが多い表現で、単位は % です。これは湿り空気の水蒸気分圧を、同じ温度における飽和水蒸気圧(水蒸気を限界まで含んだ湿り空気の水蒸気分圧)で割ったもので、以下の式で求められます。   

 図5.11の赤線に示すように空気が含むことのできる水蒸気量(飽和水蒸気圧)は、温度 が高くなるほど多くなります。そのため、含まれる水蒸気量(水蒸気分圧)が同じでも、気温が高くなると相対湿度は低く、気温が低くなると相対湿度は高くなります。また、相対湿度が100 % となる温度を 露点温度 といいます。露点温度よりも温度が低くなると、空気中の水蒸気は 凝縮 し、水滴となります。これを 結露 といいます。


図5.11 温度と水蒸気分圧の関係(湿り空気h-x線図)

夏場に冷たい飲み物を入れたコップを置いていると、コップの表面に結露を生じますが、これはコップの表面付近の空気が冷やされ、露点温度を下回ることによるものです。


図5.10 湿り空気と乾き空気の関係

重量絶対湿度

 乾き空気 1 kg あたりに含まれる水蒸気の質量を示したもので、以下の式で求められます。 

 質量分率 とよく似ていますが、分母が湿り空気ではなく乾き空気の質量であることに注意してください。重量絶対湿度は単位を持たない無次元量ですが、分母が乾き空気の質量であることを明示するために kg/kg(DA) や kg/kg’ などの単位が用いられます。DA は dry air(乾き空気)を表しています。なお、単に 絶対湿度 という場合には、重量絶対湿度のことを指します。

容積絶対湿度

 湿り空気 1 m3 あたりに含まれる水蒸気の質量を示したもので、単位は kg/m3 です。以下の式で求められます。

 呼び方が異なりますが、これは 質量濃度 と同じものです。

< 5.2.4 物質量基準の濃度 5.3.1 物質拡散の要因, 5.3.2 分子拡散 >

 

上山 篤史
著者プロフィール
上山 篤史 | 1983年9月 兵庫県生まれ
大阪大学大学院 工学研究科 機械工学専攻 博士後期課程修了
博士(工学)
学生時代は流体・構造連成問題に対する計算手法の研究に従事。入社後は、ソフトウェアクレイドル技術部コンサルティングエンジニアとして、既存ユーザーの技術サポートやセミナー、トレーニング業務などを担当。執筆したコラムに「流体解析の基礎講座 」がある。

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