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技術情報・コラム

もっと知りたい! 熱流体解析の基礎

第2章 物質の性質


2.7 表面張力   流体  

 液体 の分子の間には引っ張り合う力が働くため、液体が 気体 や他の液体と接している面には縮もうとする力が作用します。これを 表面張力 といい、単位は N/m です。

 例えば、コップにめいっぱい水を入れると表面が盛り上がりますが、これは表面張力の働きによるものです。

 水だけで占められる流れを扱う場合にはこのような表面を含まないため、表面張力を意識する必要はありません。ところが、空気中を落下する水滴などの問題では、水滴の形状が表面張力の影響を大きく受けるため、表面張力を考慮する必要があります

 なお、20 ℃ における表面張力の大きさは水では約0.0727 N/m ですが、オリーブオイルでは約0.0320 N/m となります。そのため、水とオリーブオイルをコップになみなみと注いだときには、水のほうが表面の盛り上がり方が大きくなります。

表面張力の違い
図2.13 表面張力の違い

 なお、上記の表面張力の値は空気と接しているときのもので、接している 流体 の種類が変化すると表面張力の値も変化します。

 もっと知りたい   固体の濡れやすさ
 液体の界面が 固体表面となす角度のことを 接触角 といいます。 「接触角が大きい」は濡れにくい、はじきがいいことを表し、「接触角が小さい」は濡れやすい、はじきが悪いことを表します。雨傘やフッ素加工されたフライパンなどは接触角が大きく、コンタクトレンズは接触角が小さいものの一例です。なお、濡れやすさを 濡れ性 という言葉で表現することもあります。

速度勾配
図2.14 濡れ性による違い

 接触角は気体・液体・固体それぞれの表面張力によって変化します。また、同じ材質であっても、不純物の有無や表面の状態などによってその値が大きく異なります。


2.8 体膨張率   流体/固体  

 温度 が変化すると、それに応じて物体の体積も変化します。この体積の変化率のことを 体膨張率 といい、単位は 1/K です。体膨張率は1℃(= 1 K)あたりの体積の変化率を表しており、物体の体積に体膨張率と温度変化を掛けたものが、体積の変化量となります。
 体膨張率は、固体や液体よりも気体で大きな値となります。

温度変化と体膨張率
図2.15 温度変化と体膨張率

 もっと知りたい   固体の膨張
 流体と異なり、固体は明確な形を持っています。そのため、体積以外に物体の長さの変化率によっても膨張の度合いを表すことができます。これを 線膨張率 といい、単位は 1/K です。体膨張率と同じように、物体の長さに線膨張率と温度変化を掛けたものが長さの変化量となります。

温度変化と線膨張率
図2.16 温度変化と線膨張率

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上山 篤史
著者プロフィール
上山 篤史 | 1983年9月 兵庫県生まれ
大阪大学大学院 工学研究科 機械工学専攻 博士後期課程修了
博士(工学)
学生時代は流体・構造連成問題に対する計算手法の研究に従事。入社後は、ソフトウェアクレイドル技術部コンサルティングエンジニアとして、既存ユーザーの技術サポートやセミナー、トレーニング業務などを担当。執筆したコラムに「流体解析の基礎講座 」がある。

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