Home > 技術情報・コラム > もっと知りたい! 熱流体解析の基礎 > 2.5 熱伝導率

技術情報・コラム

もっと知りたい! 熱流体解析の基礎

第2章 物質の性質


2.5 熱伝導率  流体/固体 

 物体に温度差があるとき、は温度が高いほうから低いほうへと伝わります。熱伝導率 はこのときの熱の伝わりやすさを表したもので、単位は W/(m·K) です。

 冷凍庫から出してすぐのアイスクリームは非常に硬く、食べるのに苦労しますが、これを簡単にすくうことができるアイスクリームスプーンというものがあります。これは、熱伝導率が高い材質を用いて、スプーンを持っている手の熱をアイスクリームに伝わりやすくし、すくいやすくしたものです。

 一般的なスプーンの材質はステンレスで、その熱伝導率はおよそ 16 ~ 27 W/(m·K) です。一方、アイスクリームスプーンの材質にはアルミニウムがよく用いられます。その熱伝導率は約 237 W/(m·K) とステンレスの 9 ~ 15倍にもなり、非常に熱を伝えやすいことがわかります。

熱伝導率による違い
図2.8 熱伝導率による違い

 通常、熱伝導率は 気体 液体 固体 の順で大きくなり、自由電子の寄与が大きい固体金属で特に大きな値となります。また、空気の熱伝導率は非常に小さく、複層ガラスは空気を間に挟むことによって断熱性を高めた製品です。

 もっと知りたい   方向に依存した性質
 均質な金属の固体では、どの向きにも同じように熱が伝わります。このように向きによって性質が変わらないことを 等方性 といいます。一方、層構造を持つ物質などでは、特定の方向にだけ熱を伝えやすいといった性質を持つ場合があります。このように方向によって性質が異なることを 異方性 といいます。

等方性熱伝導と異方性熱伝導
図2.9 等方性熱伝導と異方性熱伝導

基板や断熱材のように層状に構成されている部品などは、熱の伝わり方に異方性がある固体としてモデル化されることがあります。

< 2.4 比熱と熱容量 2.6 粘性係数と動粘性係数 >

 

上山 篤史
著者プロフィール
上山 篤史 | 1983年9月 兵庫県生まれ
大阪大学大学院 工学研究科 機械工学専攻 博士後期課程修了
博士(工学)
学生時代は流体・構造連成問題に対する計算手法の研究に従事。入社後は、ソフトウェアクレイドル技術部コンサルティングエンジニアとして、既存ユーザーの技術サポートやセミナー、トレーニング業務などを担当。執筆したコラムに「流体解析の基礎講座 」がある。

-- 最後までお読みいただきありがとうございます。ご意見、ご要望などございましたら、下記にご入力ください --



※お客様の個人情報の取り扱いにつきましては、弊社個人情報保護方針をお読みになり同意の上お進みください。
※頂きましたご質問は、担当部署よりご回答申し上げます。内容によっては回答までに数日かかる場合がございます。
※お問い合わせの内容によっては(例:宣伝・勧誘・売込み等)、ご返信を差し上げられない場合がございます。

バックナンバー

基板専用リアルタイム熱解析ツール PICLS

TOP