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解析事例・インタビュー

ナカシマプロペラ株式会社 様
船舶用プロペラの効率化を追求
流体技術で国際競争を勝ち抜く

写真1 エンジニアリング本部 プロペラ設計部 プロペラ・ポッド推進性能室
写真右:室長 蓮池伸宏 氏/写真左:課長代理 岡﨑全伯 氏

[前編] 環境対応が着々と進んでいる造船業界。国内外の造船メーカーに向け船舶用プロペラを供給するナカシマプロペラは、率先して安全かつエネルギー効率の高いプロペラや省エネルギー付加物の開発、製造を行っている。その際に欠かせないツールとなっているのが、ソフトウェアクレイドルの流体シミュレーションソフトウェアSCRYU/Tetra®だ。

写真2(左) 直径3メートルのケミカルタンカー用プロペラ
ナカシマプロペラがつくるプロペラの表面には「ナカシマ模様」とも呼ばれる独特のしま模様が入っているため一目でわかる。

GHG削減目標へと動く船舶業界

 ナカシマプロペラは2016年に創業90周年を迎えた船舶プロペラの開発、製造を行う企業だ。日本をはじめ、中国や韓国などの造船所に向けてさまざまなプロペラを提供している。船舶用プロペラの市場シェアは、国内で8割、海外で3割になるという。

 「船舶用プロペラでは、流体解析技術、鋳造技術、そして機械加工技術の3つが欠かせません」とナカシマプロペラ エンジニアリング本部 プロペラ設計部 プロペラ・ポッド推進性能室 室長の蓮池伸宏氏(写真1・右)は語る。プロペラは基本的に一品受注生産で、船ごとに最適な性能を発揮できるよう設計を行う。仕上げには職人が100分の1ミリメートルを見わける精度で羽根の表面を磨く。その技術は「第1回ものづくり賞」の内閣総理大臣賞を受賞するほどだ。また業界に先駆けてCFRP製のプロペラの製造にも成功している。この製品も第6回同賞で内閣総理大臣賞を受賞しており、非常に高い技術力が認められている(写真3)。

写真3(右) 「第6回ものづくり賞」受賞 
CFRP製プロペラの製造技術に対して内閣総理大臣賞を受賞を受賞した

 今、船舶業界が全力を挙げて取り組んでいるのが「エネルギー効率設計指標(EEDI:Energy Efficiency Design Index)」の規制値クリアだという。これは温室効果ガス削減のために、国際連合の専門機関である国際海事機関(IMO:International Maritime Organization)が定めるものだ。この規制値は段階的に引き上げられ、それをクリアできない船は運航できなくなる。「当社としても、これらのニーズに応えられるような製品を開発して船体全体での目標の達成に寄与していきたいと考えています」とナカシマプロペラ エンジニアリング本部 プロペラ設計部 プロペラ・ポッド推進性能室 課長代理の岡﨑全伯氏(写真1・左)は語る。

キャビテーションの制御が欠かせない

 プロペラの設計において最も重要なこととして蓮池氏があげたのが、「キャビテーションの制御」だ。キャビテーションは、水中で急激に圧力が下がることにより、水が沸騰して気泡が生じる現象である。気泡はすぐ水に戻るが、その時にギガパスカルオーダーの崩壊圧が生じるという。これによってプロペラにエロージョンと呼ばれる物理的な侵食作用が起こる。またキャビテーションは船の振動の原因にもなる。安全かつ推進性能を維持するためには、キャビテーションと、それにより生じるエロージョンを発生させないことが何よりも大切になるのだ。

 だが設計段階でキャビテーションを正確に予測することは以前は難しかったという。同社の設計で用いているポテンシャル計算では、「キャビテーションは翼面に発生する量が多いか少ないかというレベルでしか分かりませんでした」と蓮池氏は語る。「使っているツールの精度が甘いと、より踏み込んだ設計ができません。信頼性の高いツールを持っていれば、そこに躊躇なく踏み込めるのです」(蓮池氏)。攻めの設計を行うため、つまりより高い精度でキャビテーションやエロージョンのリスクをとらえるためには、流体解析ツールの活用は必須だったという。

 蓮池氏らは流体解析ツールの導入にあたっていくつかのツールを検討したが、最終的にソフトウェアクレイドルのSCRYU/Tetraを選んだ。同ツールを選んだ理由について、蓮池氏は「国内唯一の有力なCFDベンダーであることが、まず一番の理由でした」と語る。またきめ細かい対応も採用を決めた理由だという。現在も「現場での課題を相談すると、必要であれば新しい機能も開発してくれます。非常に機動性が高く、対応もかゆい所に手が届くといった感じで大変助かっています」(蓮池氏)。海外ベンダーや汎用ベンダーではこういった迅速できめ細かい対応は難しい。そこで2005年にSCRYU/Tetraを導入し、活用に取り組み始めた。

※SCRYU/Tetraは、日本における株式会社ソフトウェアクレイドルの登録商標です。
※その他、本インタビュー記事に記載されている会社名、製品・サービス名は、各社の商標または登録商標です。
※本インタビュー記事の内容は2016年1月現在のもので、予告なしに変更する場合があります。また、誤植または図、写真の誤りについて弊社は一切の責任を負いません。

プロフィール



 

ナカシマプロペラ株式会社
創業 1926年
設立 2008年
事業内容 舶用機器の開発・製造・販売
環境改善装置の開発・製造・販売
エクステリア商品の企画・製造・販売
本社 岡山市東区上道北方
代表者 代表取締役社長 中島基善
URL http://www.nakashima.co.jp/

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