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解析事例・インタビュー

森永乳業株式会社 様
“おいしい”の根拠を科学的に分析する
乳製品の製造工程にCFDを導入

[後編] 森永乳業では製造装置や工程の開発・改良、製造環境の管理などにCFD解析を活用している。今まで経験で作られてきた装置を科学的な視点から分析し直すことで、新たな知見や発見が日々生まれているという。

図2 実験値とシミュレーションの比較
※クリックで拡大

図3 r-θ断面とr-z断面における速度ベクトル分布
(翼1、正転)​※クリックで拡大

図4 r-z断面における温度分布
(翼1、θ = 0°, t=600s)※クリックで拡大

図5 壁面熱流束分布とr-θ断面における温度分布
(翼1、z = 0.14m, t=600s)※クリックで拡大

図6 壁面およびr-θ断面におけるせん断応力分布
(翼2と翼3)※クリックで拡大

  現行の直動部壁面をかき取り方向に回転する「上翼」と、底面をかき上げる方向に回転する「下翼」を持つ特殊アンカー翼を基本とし(翼1)、ほかに下翼の取り付け角を逆にしたもの(翼2)と、上下翼の位相差を90°としたもの(翼3)の3種類の翼に対してそれぞれ正転、逆転の計6パターンの解析、比較検討を行った。

 翼1において実験とシミュレーション結果を比較したところ、図2のように良好な一致を得た。さらにこの解析結果から、逆転時の上翼に生じる壁面への押し付け方向の流れが熱流束を増大させていることや、上翼の下端で発生する下降流と下翼の翼端で発生する上昇流が槽内の均一性を向上させていることが明らかとなった。また撹拌の上下翼に位相差をつけることによって,動力やせん断応力が抑えられる傾向も見いだすことができた。(図3~6)。この知見をさらに大きな 実機タンクでの改良に応用することで、製品品質及び生産効率の向上に成功したということだ。
 

可視化の威力は思いのほか大きい

 今回の解析のなかで得た収穫は、層流場における伝熱シミュレーションが予想していた以上に実測値と合うということだったそうだ。また、大型のかき上げ翼のかき上げ 効果は予想より小さいということや、流れには上がるところがあれば必ず下がるところがあるといった当たり前の現象が、可視化によって改めて図にすると実感でき、社内への説明もスムーズに行えることが非常に有益だという。
 

省エネ撹拌や殺菌時にも適用

 ほかにも様々なタンクの解析に利用しているという。上記のようにダメージを与えずかつ早く冷やすほかにも、省エネルギーかつ早く混ぜるといったものについて、撹拌物の物性や効率を見ている。

 また食品をパッケージに充填する際に触れてしまう空気の流れや、パッケージの内部殺菌時の熱風の流れの解析にも使用している。200℃以上の高温の熱風により、迅速な温度上昇がみられると考えがちだが、実際は周りの空気を巻き込むことで温度が下がる。そういったことも可視化することによって改めて理解し、それによって改善方法を考えることができるという。このように可視化の効果を実感する場面は多いそうだ。
 

強力なポストのビジュアル性能

 SCRYU/Tetra®導入時は解析ツールよりもむしろ解析モデルをつくるための3次元CADの操作をマスターするほうが大変だったという。2Dはいつも機械配置図などで使用していたものの、3Dは操作感が全く違ったそうだ。

 SCRYU/Tetra®に関しては、新しい解析を行うたびに勉強している最中だという。その際はサポートに連絡するなどして、その都度マスターしているそうだ。特に結果を可視化するポストの機能がバージョンアップごとによくなっているという。「流れる矢印機能など非常に見やすくビジュアル性も高いので気に入っています」(宮本氏)。

より高度な解析に取り組みたい

 さらに取り組みたいと考えているのが、果肉の入ったヨーグルト、ソースやナッツの入ったアイスクリームの解析だという。これらの製造工程は、気泡の分散と氷結晶の成長が同時に起こるとても複雑な現象であるが、CFD解析を適用することで、アイスクリームのおいしさと製造過程の関係を科学的に解明し、新しい価値ある商品の提供につなげていきたいそうだ。「状態変化を伴う三相混相流の解析なのでとても複雑になりますが、これらがより正確に解析できるようなSCRYU/Tetra®の性能アップに期待しています」(宮本氏)。

 より科学的なアプローチから“おいしい”を追求する森永乳業。その取り組みをSCRYU/Tetra®がいっそう後押ししているのは間違いないようだ。

​​※SCRYU/Tetraは、日本における株式会社ソフトウェアクレイドルの登録商標です。
※その他、本パンフレットに記載されている会社名、製品・サービス名は、各社の商標または登録商標です。
※本パンフレットに掲載されている製品の内容・仕様は2014年11月現在のもので、予告なしに変更する場合があります。また、誤植または図、写真の誤りについて弊社は一切の責任を負いません。

プロフィール

 

森永乳業株式会社
創業 1917年
設立 1949年
事業内容 牛乳、乳製品、アイスクリーム、飲料その他の食品等の製造、販売
代表者 代表取締役会長 大野 晃
代表取締役社長 宮原 道夫
本社所在地 東京都港区
資本金 21,704百万円(平成26年3月31日現在)

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